Yahoo! JAPANのIDを持っていれば誰でも利用可能なYahoo API。Yahoo APIでは、ショッピング、テキスト解析、地図などのWeb APIを公開しており、Yahoo!のさまざまなサービスをさらに便利に使うことが可能になります。そこで今回は、Yahoo APIの概要と「Yahoo APIを使って何ができるのか?」を紹介します。
Table of Contents
Yahoo!が提供するYahoo APIとは?
Yahoo APIとは、Yahoo!が提供しているWebAPIのことで、Yahoo!のサービスに関するデータや機能を利用したり、加工したりすることが可能になるものです。基本的には、Yahoo! JAPANのIDを持っていれば誰でも利用できます。具体的な登録方法は次の通りです。
Yahoo APIの登録方法
Yahoo APIを利用するには、Yahoo! JAPAN IDを取得したうえで、アプリケーションを登録します。Yahoo!デベロッパーネットワーク(https://developer.yahoo.co.jp/sitemap/)から「アプリケーションの管理」を選択し、表示されたページで「新しいアプリケーションを開発」をクリックします。
ここでアプリケーション情報を入力します。入力必須項目は次の4つの情報です。
- アプリケーションの種類
LinuxやWindows serverなど、サーバー上で動作するサーバーサイドアプリケーションもしくは、スマートフォン上のネイティブアプリやユーザーのブラウザ上で動作するクライアントサイドアプリケーション、どちらかの選択をします。 - 連絡先のメールアドレス
Yahoo! JAPAN IDに登録されているメールアドレスがデフォルトで記載されています。 - アプリケーション名
連絡先のメールアドレスと同様に、デフォルトで記載されています。記載されている名前をそのまま使っても問題ありませんが、「どういったアプリケーションなのか」がわかる名前にしておけば、後で管理が楽になります。 - サイトURL
アプリケーションを公開するWebサイトのURLを記載します。アプリケーションの種類でクライアントサイトを選択した場合は、ダウンロード元のWebサイトのURLを記載しておくとよいでしょう。
ここまでが必須入力項目です。さらに、「アプリケーションの説明」に「どのような用途で使用するか」などを簡単に記載します。「利用するスコープ」の項目は、マイ・オークション関連の機能を使う場合にチェックを入れます。
なお、Yahoo!ショッピングのストア運営をサポートするAPIを利用するときは、入力する情報が若干異なるため、専用のページ(https://e.developer.yahoo.co.jp/shopping/register)から登録を行わなければなりません。
必要な情報を入力できたらガイドラインを確認し、問題なければ「同意する」を選択します。その後、入力した情報を確認して「登録」をクリックすると、登録申請が完了します。1つのYahoo! JAPAN IDで10個までのアプリケーションIDを持つことができます。
Yahoo APIにはどういったものがあるのか?
続いては、Yahoo APIには「どういったものが用意されているか?」について説明します。具体的には次の3つのサービスに関してAPIが提供されています。
※Yahoo!デベロッパーネットワークのWebサイト上には、オークション、知恵袋、震災関連情報のAPIも表示されますが、オークションは2018年2月22日より段階的に提供終了、知恵袋は2017年4月26日に提供終了(現在は株式会社NTTデータより提供)、震災関連情報は2018年12月13日に提供終了となっています。
1.ショッピング
日本最大級のショッピングモール、Yahoo!ショッピングが持つ商品データベースやEC機能をアプリケーション作成に利用できます。デベロッパーが所有するコンテンツのリッチ化、アフィリエイトによるマネタイズが可能なほか、ストア運営をサポートするAPIも用意されています。
2.地図
YOLP(Yahoo! Open Local Platform)にて、マウスでドラッグできる地図をWebページに貼り付けたり、雨雲レーダー情報を重ねて表示したりできるYahoo! JavaScriptマップAPI。地図画像をWebページに貼り付けて利用するYahoo!スタティックマップAPIがあります。
また、地図・地域情報の検索としてローカルサーチ、ジオコーダ、リバースジオコーダといったAPIをはじめ、気象情報、郵便番号検索、クチコミ検索、場所情報、住所ディレクトリ、経路地図、施設内検索、コンテンツジオコーダ、ルート沿い検索、2点間距離、測地系変換、標高、カセットサーチなど、地図に関連したさまざまなサービスのAPIが用意されています。
3.テキスト解析
日本語解析を行うアプリケーションを作成するためのAPIです。日本語形態素解析、かな漢字変換、ルビ振り、校正支援、日本語係り受け解析、キーフレーズ抽出、自然言語理解の7つのAPIが用意されています。
Yahoo APIを使ってできることとは?
次に、「公開されているYahoo APIを使ってできること」について、いくつか代表的な例を紹介します。
1.ショッピングAPIでできること
ショッピングAPIを使ってできることの中で最もわかりやすい例は、Yahoo!ショッピングでの商品検索です。価格帯を絞った検索や割引をしている商品の検索といった機能を作ることができます。そのほか、Yahoo!ショッピングで販売されている任意の商品の情報を抜き出してCSVにまとめる、アフィリエイトサイト用に商品レビューを抜き出してWebページに表示させる、といったことも可能です。
ショッピングAPIには、商品検索やアフィリエイトサイト向けのAPIだけでなく、ストア運営者向けのAPIも用意されています。このAPIを使えば、Yahoo!ショッピングがデフォルトで用意している受注管理ツールを自作することが可能になります。自社のショップ運営に最適化された管理システムを作ることもできますし、複数のショッピングモールに出店している場合は、それぞれのショッピングモールのAPIを使って、1つの管理システムで複数のショッピングモールの受注管理を行えるようにすることもできます。
2.地図APIを使ってできること
地図APIを使ってできることは多く、具体的には次のようなことが可能です。
- 郵便番号を入力することで、その郵便番号の地図を表示させる
- Yahoo!の地元情報クチコミサービス「Yahoo!ロコ」に投稿された店舗のクチコミを検索して地図上に表示させる
- 出発地と目的地を入力することで、最適なルート案内図を生成し、Webページに貼り付ける
- 大型ショッピングモールや複合施設などの緯度経度を入力することで、その施設内の飲食店や店舗を地図上に表示させる
- 緯度経度でルートと店舗の種類(蕎麦屋やスポーツジムなど)を指定することで、そのルートにある店舗情報を地図上に表示させる、など
3.テキスト解析APIを使ってできること
テキスト解析APIは、日本語で記述された文章について「さまざまな解析」を行うことを可能にします。例えば、漢字とかな交じりの文章に「ひらがな」と「ローマ字」のルビを振ったり、日本語で文章を入力した際に漢字の入力ミス、言葉の誤用がないかをチェックしたり、といったことができます。
また、入力された日本語文を解析し、その文書の中から特徴的なフレーズを抽出したり、形容詞・動詞・名詞といった品詞に分けて表示したりすることも可能です。これらのAPIを使うことで、日本語入力支援のWebページを作成する、小学生向けのWebサイトで文章にルビを付ける、などの処理ができるようになります。
テキスト解析で大きな効果を発揮するYahoo API
Yahoo APIには、さまざまなAPIが公開されています。日本最大級のショッピングモールである「Yahoo! ショッピング」のデータを活用する機能、「検索サービス」で培われた言語解析を活用したテキスト解析など、Yahoo!のサービスを最大限に生かしたAPIを利用できるため、アイデア次第でさまざまな用途のアプリケーション開発が行えます。特にテキスト解析は、ルビ振りやかな漢字変換、校正支援、キーフレーズ抽出など、多様な用途に対応させることが可能です。
Yahoo! APIと同様に、Rakuten RapidAPIでも、地図、ショッピングなどに関するAPIを公開しています。世界の都市、地域、国のデータを取得するGeoDB Cities API。近隣にある3Dプリンタでデザインを印刷することができるmakexyz API。楽天市場内のコンテンツ「ランキング市場」の情報を取得できるRakuten Marketplace Item Ranking APIなど、数多くのAPIが用意されています。こちらも、合わせて確認してみてください。
参考:
コメントを残す