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日常生活に欠かせない日本気象協会が提供する天気予報APIとは?
汎用性の高いサービスは当然ながら需要も高いため、エンジニアとして取り組んでおいても損はないと思われます。なかでも「天気」に関するサービスは、老若男女を問わず、多くの人々が気にする情報となるため、天気を上手に活用したサービスを開発できれば、そこから新たな事業展開につながるケースもあるかもしれません。そこで今回は「天気」に着目し、日本気象協会が提供している天気予報APIを中心に、その概要やAPIを使ってできること、料金などについて詳しく紹介していきます。また、日本気象協会以外が提供している国産の天気APIも紹介します。
日本気象協会が提供する天気予報APIとは?
「天気予報」と聞いて、まず頭に思い浮かぶのは日本気象協会ではないでしょうか。ここでは、日本気象協会が提供する天気予報APIの概要や料金について紹介していきます。
日本気象協会が提供している天気予報APIを活用すれば、天気予報はもちろん、天気に関連するさまざまな指数をアプリやWebサイトで利用できるようになります。おでかけ情報、スポーツ関連情報、イベント情報など、天気予報APIの活用が考えられるアプリやWebサービスはたくさんあります。これらのサービスで、独自の情報とあわせて天気情報を提供していけば、それだけサービスの幅を広げていくことが可能となります。
天気予報APIを利用するための料金は、初期費用10万円のほか、月額利用費が必要になります。具体的には以下に示した料金が必要になります(最低利用期間3ヶ月)。また、天気予報APIが利用できるのは原則として法人(団体)のみで、個人には提供されていません。
■基本プランの月額利用費(基本情報利用費)
- 100万/月リクエスト未満・・・・・30,000円
- 400万/月リクエスト未満・・・・・50,000円
- 700万/月リクエスト未満・・・・・80,000円
- 700万/月リクエスト以上・・・・・要見積り
※オプション情報利用費は20,000円/情報
「過去の天気」も利用する場合は、上記に記載した基本情報利用費がそれぞれ2万円ずつ高くなります。「過去の天気」を単体で利用する場合も、初期費用として10万円がかかります。
天気予報APIでは、基本的にエンドユーザーの端末から天気予報APIに直接アクセスし、その累計回数に応じて情報使用量を支払う仕組みになっています。もし何らかの方法で一旦、情報を保持する形で利用する場合は、特別プランを契約する必要があります。この場合の情報利用費は以下のようになります。
■特別プランの月額利用費
- 100万/月リクエスト未満・・・・・60,000円
- 400万/月リクエスト未満・・・・・80,000円
- 700万/月リクエスト未満・・・・・110,000円
- 700万/月リクエスト以上・・・・・要見積り
※オプション情報利用費は20,000円/情報(花粉情報のみ40,000円)
特別プランで「過去の天気」も利用する場合は、基本プランと同様に、基本情報利用費がそれぞれ2万円ずつ高くなります。
この天気予報APIを実際に利用した事例としては、不動産会社のWebサイト、コンタクトレンズ注文用のアプリ、カレンダー・時計アプリなどが挙げられます。
天気予報APIで提供されているAPIの種類
続いては、天気予報APIでどういった情報が提供されているのか、その種類と概要、提供期間について紹介していきます。
1.基本情報
まず、基本情報として提供されているのが「天気予報」と「週間天気予報」です。これらは、どちらも通年で提供されます。「天気予報」の内容は、今日から明後日までの天気/降水確率/予想最高気温/予想最低気温です。「週間天気予報」の内容も「天気予報」と同じで、その期間は翌日から向こう1週間となります。提供エリアは47都道府県ならびに142の詳細地域で、1日に3回更新されます。
もうひとつの基本情報として「過去の天気」も提供されています。こちらは、2012年9月17日から前日までの天気/最高気温/最低気温/降水量が提供されます(2019年3月現在)。提供エリアは通常の天気予報と同じで、毎日午前6時に昨日の天気情報が追加されます。
最後に、オプション情報です。オプションとして提供される情報には、以下のようなものがあります。特に記述がないものは1日5回の更新で、日別に1週間先まで情報が提供されます。エリアは天気予報と同じく47都道府県、142の詳細地域です。
2.オプション情報(通年)
- 3時間ごとの天気予報
向こう24時間(17時更新時のみ向こう30時間)について、3時間ごとの天気/気温/風向風速を提供。 - 湿度情報
1日の最小湿度と平均湿度。 - 紫外線情報
1日トータルの紫外線量をUVインデックスとUVランクで提供。 - 洗濯指数
洗濯物を屋外に干すのに適した度合を0~100で表した指数。 - 傘指数
傘の必要度を0~100で表した指数。 - 星空指数
星空を楽しめる度合いを0~100で表した指数。
3.オプション情報(夏季、4月~10月)
- WBGT熱中症予防情報
熱ストレスを評価する指数WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature、単位℃)を採用したもので、日最大WBGT値/日最高気温を提供。なお、この情報のみ4月~9月の提供となり、更新回数は1日3回となります。 - 不快指数
日中の不快度を表した指数。 - 汗かき指数
日中の「汗のかきやすさ」を(単位0.1℃)で表した指数。 - ビール指数
ビールをおいしく感じる度合いを0~100で表した指数。 - アイスクリーム指数
アイスクリームをおいしく感じる度合いを0~100で表した指数。
4.オプション情報(冬季、10月~4月)
- 寒冷指数
体感的にどのぐらい寒いのかを(単位0.1℃)で表した指数。 - 素肌乾燥指数
素肌の乾燥しやすさを0~100で表した指数。 - 風邪ひき指数
風邪のひきやすさを0~100で表した指数。 - 鍋もの指数
鍋ものをおいしく感じる度合いを0~100で表した指数。 - 掛け布団指数
厚めの掛け布団の必要度を0~100で表した指数。 - 重ね着指数
外出時に上着が必要かどうかを0~100で表した指数。
5.その他のオプション情報(2月~5月)
- 花粉情報
花粉の飛散量予報/花粉種別を提供。更新は1日2回で提供エリアは47都道府県、135詳細地域(東京の島しょ、沖縄県の離島を除く)。
その他、国産の天気API
天気予報に関するAPIを提供しているのは日本気象協会だけではありません。続いては、日本気象協会以外が提供している国産の天気APIを紹介しておきます。
Wave Hunter
http://www.wavehunter.biz/api.html
株式会社サーフレジェンドが提供する天気API。提供されている情報は、「今日・明日の天気予報、週間天気予報」のほか、「気象警報・注意報」「ピンポイント天気予報」「実況解析風情報・気温情報」「実況解析降水情報」「降水短時間予報」「台風情報」「潮汐情報」の8つです。通常の天気予報は月5万円で利用できます。
Contents pocket
http://contents-pocket.net/weather_api.html
株式会社クレイドが提供する天気API。提供されている情報は、「今日・明日の天気予報、週間の天気予報」のほか、「3時間ごとの天気予報」「紫外線予報」の3つです。また、美容天気API(10種類)、栄養学予報API(1種類)、指数API(7種類)なども提供されており、天気に関するさまざまなAPIを月額2~3万円で利用できます。
Yahoo! 気象情報API
https://developer.yahoo.co.jp/webapi/map/openlocalplatform/v1/weather.html
Yahoo! JAPANが提供する天気API。提供されている情報は、指定した緯度経度の雨の強さ、現在時刻の降水強度実測値、1時間後までの降水強度予測値です。通常の天気情報はありませんが、個人、法人を問わず、基本無料で利用できます。
天気予報APIの利用は料金と効果を検討したうえで
老若男女を問わず、「天気」は誰もが必要とする情報です。天気に関するAPIは汎用性が高く、企業のWebサイトでもサービスの一環として情報が提供されているケースは少なくありません。ただし、国産の天気予報APIは、商用利用が有料、もしくは回数制限があるケースが大半を占めます。そのため、天気予報APIの導入する際は、料金と実際の効果を十分に検討しておく必要があります。
また、Rakuten RapidAPIにも、天気情報に関するさまざまなAPIが公開されており、世界中の3日間の天気予報や世界各地の都市の最高気温/最低気温/降水量/気象条件を予測できる「Weather Forecast Basic」、特定の場所の最新気象情報を取得できる「YahooWeatherAPI」など、多くのAPIが提供されています。用途に合わせて目的のAPIを検索してみてはいかがでしょうか。
参考:
- Rakuten RapidAPI|楽天コミュニケーションズ
- 天気予報API|日本気象協会
- Weather Forecast Basic | Rakuten RapidAPI
- YahooWeatherAPI | Rakuten RapidAPI
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