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音声アシスタント機能をアプリに組み込む!押さえておくべき音声認識API
今や当たり前になりつつある音声アシスタント機能。では、実際にWebサイトなどに音声アシスタント機能を導入することになった場合、どのようなプロセスで実装すればよいか想像できますか? 今回は音声アシスタント機能に欠かせない音声認識の技術について説明します。また、Rakuten RapidAPIに登録されている音声解析関係のAPIも紹介します。
今流行の音声アシスタント機能とは?
今やすっかり身近な存在になった音声アシスタント機能。iPhone、iPadなどの端末で各種操作やWeb検索を行う「Siri」、Androidスマホやタブレットに搭載されている「Googleアシスタント」など、モバイル端末で利用されているものがその代表格として挙げられます。
また、音楽の再生やスケジュールの確認、家電の操作などを音声で行えるスマートスピーカーにも音声アシスタント機能が搭載されています。Amazonの音声アシスタント機能「Alexa」を搭載したAmazon Echoシリーズ、Googleアシスタントを搭載したGoogle Homeシリーズ、LINEのClovaシリーズといった製品も各社から販売されています。これらの製品は、エントリーモデルなら数千円で購入できることから、導入する家庭も多いようです。国内販売開始が2017年末と歴史は浅いものの、「音声で端末や家電を操作する」という手法を一般に浸透させた存在と言えます。
このように音声アシスタントの活用が身近になったことで、「機械に話しかけるなんて恥ずかしい」という認識を持っていたユーザーの抵抗も薄れてきたのではないでしょうか。入力の必要がなく短時間で操作できること、スマホのようなものの操作に慣れていない子どもや高齢者でも操作しやすいことなど、音声入力ならではのメリットも多く、音声操作に対するニーズは今後もますます高まっていくと予測されます。
音声アシスタント機能を実現するための最初のステップ「音声認識」とは?
音声認識とは、人間であるユーザーがスマートフォンやパソコンといった端末に向かって話した音声を認識して、話した通りの文章に変換する機能のことを指します。この機能により、「音声」(言葉)が「文章」(テキスト)として認識されることになります。
ただし、この段階ではまだ、コンピューターにとって「意味のある文章」としては認識されていません。この文章をさらに解析し、コンピューターが認識できる形に変換してあげる必要があります。そのためのプロセスが「自然言語解析」です。
音声アシスタント機能を実現する「自然言語解析」とは?
自然言語解析は、音声認識技術により「音声」から「文章」に変換されたテキストを解析し、単語の抽出や文章構造の理解などを行う機能です。自然言語解析は、「形態素解析」「構文解析」「意味解析」「文脈解析」の4つのプロセスで成り立っています。
プロセスその1:形態素解析
まず、自然言語を分割可能な最も小さな単位に分割する「形態素解析」を行います。これにより、自然言語が名詞や動詞、形容詞、助詞といった単位に分割されます。
プロセスその2:構文解析
続いて、形態素解析で分割した単語同士の関係性を解析する「構文解析」を行います。これにより、「どの単語がどの単語に係るのか?」といった文章の構造を解析することができます。
プロセスその3:意味解析
さらに、構文解析で解析した文章構造について、より正確な意味を選択する「意味解析」を行います。構文解析の段階では複数の意味にとれる構文を、正しい文脈になるよう判断します。
プロセスその4:文脈解析
意味解析により分析した文脈に対して「文脈解析」を行うことで、複数の文同士の関係性を解析します。これらのプロセスを通じて自然言語解析が完了します。
このように、自然言語処理を行うには、文章をコンピューターが認識できるものにするために、いくつものプロセスを経る必要があります。日本語は、言語のなかでも特に曖昧な表現が多く、単語同士の係り受けも複雑になりがちです。また、同じ単語が複数の意味を持っていることから、英語のような言語に比べて解析が難解であるといわれています。
おすすめ音声認識API
音声認識を実装するには「自然言語処理」という複雑なプロセスが必要となりますが、音声認識はユーザーにとっては利便性の高い機能であるため、Webサービスに取り入れたいと考える方も多いのではないでしょうか? このような場合に役立つのが、音声認識技術を簡単にWebサービスに実装できるAPIです。
Speech2Topics
音声認識と自然言語処理を用いて、オンライン上の音楽や動画といったオーディオビジュアルコンテンツを自動的に分析し、トピックメタデータを提供してくれるAPIです。得られたトピックメタデータは、広告のターゲット設定といった目的に活用することが可能です。
SYSTRAN.io – Translation and NLP
翻訳や多言語辞書の検索、自然言語処理、テキスト抽出などを行うことが可能なAPI群です。このAPIでは、音声認識機能以外にも主に以下のような機能を利用することが可能です。
- SYSTRAN machine translation(機械翻訳)
文章を別の言語に自動翻訳します。 - Language Identification(言語識別)
文中にある特定の単語や文章のサンプルを検出することで、「文章がどの言語で書かれているか?」を自動的に識別します。 - Named Entity Recognition(名前付きエンティティ認識)
文章に書かれている内容を分析し、その分析結果に基づいて、人名や地名、日付、組織名などを認識して表示します。 - Segmentation and Tokenization(テキストのセグメンテーションおよびトークン化)
認識されたテキストを文単位に分割し、さらにそれを最小処理単位であるトークン単位に分割します。
Natural Language Processing
入力されたテキストを分析し、そこに含まれるトーンや感情を解析したり、文章を要約したりできます。
igo.gram
自然言語処理や音声特徴抽出といった音声認識関連の機能に加えて、コンテンツベースの画像検索や機械学習、テキスト分析、Baper Engine、顔認識といった機能も利用できるAPIです。
音声アシスタント機能を実現するにはさまざまなAPIが必要
音声アシスタント機能は、シンプルな機能のようにも見えますが、実際にはいくつもの機能が組み合わされて実現される複雑な機能です。そのため、実装には手間がかかるというイメージが強いかもしれませんが、APIを活用することでスムーズに実装することも不可能ではありません。
Rakuten RapidAPIには、前述した「Speech2Topics」や「SYSTRAN.io – Translation and NLP」、「Natural Language Processing」、「igo.gram」のように、音声認識や自然言語解析に必要なAPIが数多く用意されています。APIを活用することで、流行の音声アシスタント機能をWebサービスに取り入れてみてください。
参考:
- 【事例付き】自然言語処理とは!仕組みやライブラリを解説|TECH ACADEMY magazine
- 自然言語処理(NLP)とは?具体例と8つの課題&解決策を解説|SPJ
- 自然言語処理ってなに?課題は? 研究者に聞く、エンジニアが学術論文を読み解くための技術|エンジニアHub
- Rakuten RapidAPI|楽天コミュニケーションズ
- Speech2Topics|Rakuten RapidAPI
- SYSTRAN.io – Translation and NLP|Rakuten RapidAPI
- Natural Language Processing|Rakuten RapidAPI
- igo.gram|Rakuten RapidAPI
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