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Androidアプリ開発においてWeb APIを使う理由とメリット
スマートフォンアプリをゼロからすべて開発するとなると、多大な手間とコストがかかり、ビジネスとして採算が合わなくなってしまう可能性が高くなります。そこで、スマートフォンアプリをできるだけ低コストかつ手間をかけずに開発する方法のひとつとして、Web APIの活用が挙げられます。今回は特にAndroidアプリの開発において、「なぜWeb APIを使うと低コストの開発が可能になるのか」を説明します。また、Web APIを活用したAndroidアプリのアイデアもあわせて紹介します。
Androidアプリの開発でWeb APIを使う理由とは?
Androidアプリの開発にWeb APIを活用することに違和感がある方もいるかもしれません。そういった方々は、「Web APIはWebアプリケーション開発で活用するもの」といったイメージを持っているのではないでしょうか。最近は、Androidアプリの開発でもWeb APIを活用するのが当たり前になりつつあります。その主な理由としては、次のようなことが考えられます。
1.プログラミング言語やOSに依存しないため汎用性が高い
認証や課金などで仕組みが異なることも多少はありますが、基本的にWeb APIはプログラム言語や特定のOSに依存しません。いわゆるマルチデバイス、マルチプラットフォームとなるため、汎用性が高く、のちにiOSアプリを開発する場合も同じAPIを使って対応することが可能となります。
2. JSONデータのみを返すため軽量で加工しやすい
PCのように固定で高速の通信環境下であれば、HTTPリクエストを行った際に画面(HTML)を返してもそれほど大きな問題にはなりません。しかし、Androidアプリの場合、必ずしも高速の通信環境が確保されているわけではなく、場合によっては低速、不安定な通信環境下で操作することもあります。こういった場合、データ量によっては操作性の低下、待機時間の増加が起こりやすく、ユーザーに余計なストレスを与えてしまいます。
Web APIであれば、HTTPリクエストに対してJSONデータだけを返すため、通信環境の悪いところであっても、待機時間が長くなる、操作性が低くなるといった問題が起こりづらく、ユーザーにストレスを与えません。
3.TwitterやFacebookなど、APIを公開している外部システムと容易に連携できる
ユーザーの利便性を考えれば、ログイン認証やデータ共有などの外部Webサービスとの連携は欠かせないものです。あらかじめWeb APIを使ってAndroidアプリを開発しておけば、あとになってから連携用に開発しなおす手間とコストを大幅に削減できます。
4.構造がシンプルなので追加開発のコストを低減できる
アプリやシステムの開発は、ただでさえコストがかかるものです。システムが複雑であればあるほど、追加開発を行う際の手間もコストも増大していきます。Web APIは基本的に構造がシンプルなので、追加開発が起こったとしても、それほど大きなコストは発生しません。
5.サーバーサイドで改修を行う際のコストを抑えられる
Web APIを使った開発では、URL単位で分割することが可能となります。そのため、全体を変えずに機能の一部分だけサーバーを切り替える、といった処理も簡単に行え、改修コストを抑えられます。また、サーバーサイドとクライアントサイドが分離しているため、何らかのトラブルが発生したときに「どこに問題があるのか」を把握しやすいことも改修コストの低減につながります。
Androidアプリの開発にWeb APIを使うデメリット
前項で紹介したように、Web APIを使ってAndroidアプリを開発するメリットは、ユーザーの利便性を高めることもありますが、それ以上に開発者の手間とコストを軽減できることの意味合いが大きいと言えます。新規開発はもちろん、将来的な追加開発の際も手間とコストを大幅に削減できます。これは開発者にとって大きな意味を持つのではないでしょうか。ただし、デメリットがないわけではありません。Web APIを使ってAndroidアプリを開発するデメリットとしては、次のようなことが考えられます。
外部Webサイトとの通信が必須
ログイン認証やデータ共有を含め、Web APIを活用するには外部Webサイトとの通信が必須になります。その分の通信費はユーザーに負担を強いることになります。通信をすることでバッテリーの消費量も上がってしまいますし、通信ができない環境下では機能そのものを使えなくなってしまうこともデメリットと言えるでしょう。ただし、外部Webサイトとの通信を行うことで、簡単にログインしたり、データ共有が可能になったりといったメリットを享受できるので、これらのデメリットはユーザーにとっても許容範囲と言えるのではないでしょうか。通信が必須とはいえ、基本的にはそれほど大きなデータの送受信が生じるわけではありません。よって、ことさらにデメリットと考える必要はありません。
もう一点、注意すべきポイントとしてセキュリティが挙げられます。アプリとAPIサーバー間の通信は基本的に筒抜けの状態になるため、通信内容が盗み見されることを前提にした対策を考えておいた方がよいでしょう。
Web APIを活用したAndroidアプリのアイデア事例
Web APIをAndroidアプリ開発に活用することのメリット、デメリットを見たところで、次は具体的なアイデアをいくつか紹介していきます。これからWeb APIを活用してAndroidアプリ開発をしようと検討されている方は参考にしてみてください。
Twitterを活用した地図アプリ
情報発信はもちろん、さまざまな情報を入手する目的でTwitterを利用するケースも多いでしょう。なかでも位置情報は、活用シナリオを作りやすい情報と言えます。例えば、地名や観光名所の名前だけがツイートされたものをコピーして検索するのは、それなりの手間がかかる面倒な作業となります。そこでTwitterのトレンドキーワードから地域情報や地名を抜き出し、それを地図に表示させるアプリを開発すれば、ワンタップで求めている情報を入手できるようになり、利便性も高まるのではないでしょうか。ほかにも、Instagramのタグ情報をもとに「写真」を地図に表示させれば、気に入った場所を「写真」で簡単に知ることができるようになります。
Instagramで話題のミュージシャンの楽曲にすぐアクセスできるアプリ
Instagramで話題になっているミュージシャンの画像をもとにアルバムを作成し、SpotifyのAPIでそのミュージシャンのアルバム、トラックに関する情報をあわせて紹介するアプリがあれば、そのミュージシャンの公式サイトに遷移して、そこから楽曲情報にアクセスするよりも、素早く情報を入手できます。
また、Apple MusicのAPIと連携させれば、アフィリエイトを使って多少なりとも利益を上げることができます。ある程度の規模のユーザーを集めることができれば、アプリ開発の費用を賄うことも可能になるのではないでしょうか。
まとめ
Androidアプリの開発にWeb APIを使う最も大きな理由は、開発や改修コストの軽減です。Web APIを活用することでゼロから開発する手間が省け、改修も容易になります。さまざまな種類のWeb APIが提供されているため、それらを組み合わせることで新たなアプリ開発のヒントになる場合もあります。これは開発者にとって大きなメリットと言えるでしょう。
もちろん、Rakuten Rapid APIにもアプリ開発に活用できるさまざまなAPIが公開されています。TwitterやInstagram、SpotifyのAPIも提供されているので、用途に合わせて目的のAPIを検索してみてはいかがでしょうか。
参考:
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